パラパラと美国笙の今までデザインしたものを見ていたら、首を傾げる様なものが多かった。
いや、建築物は文句なしで、緻密で神経質な美国笙らしい、素晴らしいものなんだと思う。
私にはよく分からなかったんだけど。
でも、建築物以外のデザインも手掛けていた経歴の方が首を傾げることばかり。
狼君には言わなかったけれど、もう確信にかわりつつある。
そうだったのかと。
「今、戻った」
「あ、部長、おかえりなさい」
疲れ切った浜崎部長が、自分のディスクの椅子に沈んでいく。
口数も少ないし、これは本当に疲れているみたいだ。
「何か飲みますか?」
「すまないが、珈琲をお願いする」
そう言うと、ディスクに顔を沈ませた。
珈琲が最後の言葉になるのでは?と心配になりそうな疲れ方だ。
午後からは私の方のチーム編成もあるのに、大丈夫かな?
珈琲ならば、ファミレスにある飲み放題の機械みたいに、ボタン一つで沸かせるのがあるので、手軽だし簡単だから、普段は各自で行くんだけど。
今日の部長を見たら、何かしなくてはという使命感が生まれた。
ミルクが欲しい人は冷蔵庫に名前を書いて入れているから、クリエイタ―って変わった人が多いなって思う。



