「先輩は何で海の中とお菓子の家を組み合わせたの?」
「んー。なんとなく?」
海の中で猫が生活できたら楽しそうだから?
「って、先輩はそう答えますよね。本能で好き勝手描いてる感じ。お金になる才能の使い方を知らない子供みたい」
「えっと、褒めてる?」
脱力したように言われたら、若干厭きられているように感じるんだけど。
「超誉めてます。俺は、先輩の卒業制作に惚れたんですから」
「あはは。持ち運べないのにどうしてこんな事に時間を費やしたのかってゼミの先生に見放されてあれね」
好き勝手描いたソレに狼君は惚れこみ、こんな生活力も女子力も何も無い私に懐いてくれていると思うと、あの活動は無駄ではなかったのだと思えた。
「ありがとう。いつか狼君が家を建てる時は私にデザインさせてね。デザイン料はもちろんタダだからね」
「是非」
お互いに頬笑みあってほのぼのとしていると、狼君の上着のポケットから携帯のバイブ音がした。
「片づけておくから、いってらっしゃい」
「すいません!」
そのまま、慌ただしく狼君は走って行ってしまった。



