「あ、本当だ。眼鏡変わってる」
「あの分厚い眼鏡より可愛いー」
木田さんと柴田さんがウチの部署を覗いて、わざわざ確認しに来てくれた。
すっかりふつうに話して来るようになったけど、私なんかと話して楽しいだろうかと不安になったりする。
それぐらい、私は人と関わるのを逃げてきたんだ。
「昨日はびっくりさせてごめんなさい」
「あは、また敬語だ」
「美国部長が地山さんに謝ったって聞いたよ。今日、詳しく教えてよー」
「水曜はね、13階のフレンチビュッフェがレディースデーで半額なの。行こう?」
トントン拍子で二人の会話のペースに持って行かれると、どう断っていいのかタイミングさえ分からない。
このメンバーに狼君を誘っても違和感はなさそうだけど、それってまた狼君に頼ることになるし。
「分かりました。お供させて下さい」
深々と頭を下げてそう言ったら、また二人は楽しそうに笑った。



