「ひ、人を呼びますよ! 私は遅刻ギリギリで貴方とエレベータ内でイチャイチャするつもりはないんですから!」
「残念だが、俺もない。仕事場の女は面倒だ」
「嘘です! 紺野さんとイチャイチャふしだらな事してましたよ!」
「紺野は例外だ。アイツには別途落とさなければならねぇ理由がある」
ひいい。
この人、女の人を口説くのに別途があるなんて!
じゃあ、色んな理由で女性を口説いているのか! 怖い。怖すぎる。
でも、そんな女の人を食べることしか考えてなさそうなこの人が、私を待っている理由って。
「私には、仕事の用ですよね?」
「ああ。こんなに謝ってるし頼んでいるんだ。そろそろ、意見を変えろ」
――どこが謝ってるんですか! 殊勝な姿でも見せてもらえれば、私だって少しは溜飲が下がるかもしれないのに。
「それが、人にモノを頼む態度なんですか。そりゃあ、狼君が貴方に失礼な態度を取ってしまって申し訳なかったですが、でも私だって貴方の一言が怖いって情けないけど思うんです。だから、これから、仕事のチームでいるなら、貴方の何気ない一言でいちいち傷つかなければと思うと――」
「慣れろ」



