ワンコorオオカミですか!?

朝、電車で行こうとして撃沈した。
いつもの遅刻ギリギリの電車より、三つ早い電車は乗車率100パーセントは超えている、密集地帯だった。
10時が朝礼だから、通勤ラッシュに掛らないで良いと安心していたのに。

安心できないみたいです。
自分の頭を測ってオーダーしピッタリだった眼鏡とは違い、また割れてしまうような気がする恐怖からか、満員電車は本当に緊張して――怖かった。


「はあ。電車怖い」

結局、狼君に守ってもらった自分が、情けない。

そんな狼君は、ショッピングモールで本屋に寄ってから出勤するらしく9時から開いている本屋へ走って行った。

14階まで行くエレベータに乗り込もうとしたら、後ろからすぐに入って来る人影が鏡に映った。

「美国笙!」

「時間にルーズ過ぎる。1時間近くお前を持ってたのに」

蛇に睨まれた蛙状態の私は、視界の隅っこでエレベータの扉が閉まっていくのを感じた。

なのに、鼓動はどんどん速く波打ち、体温は冷えていく。


この、美国笙とエレベータで二人っきりって、いつか紺野さんと美国笙野イチャイチャを見たあの日に、デジャヴするのですけど。