ワンコorオオカミですか!?

「先輩……」
項垂れた尻尾と耳で、狼君は何を見ているのか――私には分からない。

私のちょっとして変化でも狼君は見逃さないはずだから、変化を寂しがっているのかもしれない。

でも、狼君みたいに可愛い、慕ってくれる後輩を頼りすぎるのも情けないから。

「まあ、良いですけど。サンタは俺の家で飼うしか方法はないんですし。メールでルームシェアについて言及してましたが、――断ったらサンタとも今生の別れだと思って下さいね」
「酷い! 横暴だ」
「俺はもう手段を選ばないって決めたんです」

ふんっとそっぽを向く狼君の拗ねた顔は可愛い。
でも、サンタと私を引き裂くなんて鬼だ! 鬼畜だ!

狼君は一度こうだと決めたら、絶対に考えを譲ってくれないんだよね。
こっちの気持ちをくみ取ってくれたり、共感はしてくれるけど。

結局、根負けしてしまって私が折れちゃうけど、今回はそんなにすぐに折れるわけにはいかない。
「取り合えず、今日は帰る!」
「今、シチュー作ってるんですが食べませんか。帆立がたっぷり入ってます」
「スーツ着替えてくるね!」

一瞬で心変わりした私は、ジャージを取りに行く。

乙女心と、食欲の秋。ではなく、秋の空。