ワンコorオオカミですか!?

14階のエステやジム、貸しスタジオをくぐり漸くショッピング用のエレベータへ乗り込む。

意外と紺野さんって怖い人なのかもしれない。
怖くて、滅茶苦茶格好いい!
自分の仕事に誇りを持っているのかな。


「じゃあ。一人で帰れる?」
「……タクシーで帰ります」

そんな人から見たら、私は子供っぽいのかな。
心配されてしまった。

「じゃあ、明日。私は貴方のチームから降りる気ないから頑張りましょうね」
そう、颯爽とヒールの音を立てながら歩いていく紺野さん、素敵すぎる。

私は紺野さんと仕事が出来るだけでも、身が引き締まるよ。
でも、それだけで満足しちゃ駄目なんだよね。


タクシー乗り場で一人、ボウッとしながらタクシーへ乗り込む。
ただ、楽しいデザインだけをしてる人は会社には居ない。
狼君だって、1日でクオリティはそのままで仕事をこなしていた。


あの日、私に詭弁だと言った美国笙の言葉は間違いではなかったんだ。

私の視界が狭いから。

この眼鏡の中だけの――小さい視界の中で生きてきたから。