ばっさり、はっきりとそう言いのけた彼女からは、出来る女オーラがバリバリに感じられる。
眩しくと思わず拝みたくなるぐらいだ。
「才能だけで食べていける? 貴方、フリーで仕事してみなさいよ。人脈もない、コミュ力もない貴方が客なんて見つけられますか。マニアックなファンぐらいしか貴方に仕事頼まないわ。現実なんてそんなものよ。ちょっと、甘やかされ過ぎてない?」
サラサラの髪を、思い切り背中へ指先で流すと、あっけらかんと言った。
15階からのオフィス専用エレベータを降りて、14階のエレベータへ向かう。
14階からショッピングモール用のエレベータにまた乗り換えなくてはいけないから、先は長い。
「……紺野さんは嫌いな人とも仕事できるんですね」
「できるじゃなくて、するの。元カレだって嫌でもしてやるわ。仕事なんですもん。出来ない訳じゃないんだから、するの。何よ、美国笙なんて、ただの肉食の皮を被った草食ワンコじゃないの。嫌ならとことん向き合えばいいのに」



