ワンコorオオカミですか!?

必要な時にしか丁寧に扱ってもらえないのか。
春と夏の中間に出される扇風機みたい。クーラーが本格的に必要になればまた仕舞い込まれるんだ。

「で。忠犬の狼は帰ったの?」
「狼君は、猫の病院を友達に代理で行ってもらってて、慌てて帰って行きました」

「ふうん。その友達って女?」
「さあ? 狼君、友達多いですから」

把握してないけど。
でも朝の電話の様子だったら、結構砕けた話し方だったから、男友達なのかな。

「ふうん」
「……?」


エレベータのボタンを下に押すと、なかなか下から上がって来なくて、気まずい。
黙ってしまった紺野さんの横顔は、鼻が高くてなんか絵画みたいで綺麗。
でも沈黙が続くなら階段で降りようかな。


「貴方にとって、狼は可愛い犬なのかしら?」
「え、あ、確かに犬みたいに可愛いですよ」

へらりと笑うと、紺野さんは真っ直ぐに私を見たけど、すぐにまた横顔に戻る。


「本当に可愛いだけかしら?」