ワンコorオオカミですか!?

「誰が番犬だ、ワン」

「狼君!」

階段の方から降りて来たのは、首を押さえた狼くんだった。
疲れた様子で、からかってくる人たちにも簡単なあしらいしかしない。

「ごめんね。もしかしてこってり怒られた?」
「んーん。見てた人が多かったから問題ないよ」
「ごめんね、私のせいで喧嘩なんてさせちゃって。――私がトロイから迷惑しかかけなくて」

疲れた顔の狼君を見て、申し訳ない気持ちが込み上げて吐きそう。
そもそも私じゃなくて紺野さんみたいにサッパリバサバサした美人だったら美国笙だってこんなに冷たくしなかったんだから。
顔はどうしようもできないけど、せめて要領がよくてハキハキした性格だったら。

「あのね、先輩。そんなに先輩が自分を責めなくていいんだって。美国笙ってあんな感じで誰にでも冷たいんだって。人を見下してるんじゃないかな」
「でも、私が」
「うじうじすんのは、部屋で聞くよ。それより、目は? 眼鏡の修理費とかは?」

「目は大丈夫だし、眼鏡は保証期間だったよ。でも、代わりの眼鏡が気持ち悪い」

「先輩、コンタクトも酔うからな。ま、俺と居る時は眼鏡外してれば大丈夫ですよ。――俺が目になってあげます」