「俺が悪かった。アンタは嫌いだけど悪いと思ってる」
――え?
「それで謝ってるつもり? 本当に彼女と一緒に仕事がしたいの?」
「……さっきの言葉は撤回する。あと、眼鏡代、幾らだ? 弁償する」
えっと。
すっごく上から目線だし、腕組んでるし、睨まれてるんだけど。
この人、今、私に謝ってる?
「あの、ごめんなさい。謝られてももう、怖いです。無理です」
別の階だし、仕事の内容も違うし、関わることもないだろうからもう放って置いて欲しい。
「仕事もがんばります。頼りないかもしれないけれど、でも会社の汚名にならないように、私だって初めてのクライアントさんだし、精一杯頑張ります。だから、お願いですからもう関わらないで下さい。お願いします」
「お前、人が謝ってやってるのに何を調子に乗ってるんだ」
「ひぃい」
彫刻みたいな、綺麗な王子様の顔に青筋が浮かんでいく。
隣の紺野さんも若干引いていた。



