ワンコorオオカミですか!?

「先輩、それ、そんなに重いんですか?」

「ひっ」

ひょいっとトイレから出てきたのは狼君だった。

会議室まで真っ直ぐ廊下を歩くだけなのに――何で会えちゃうかな。

「会議室まですぐだから大丈夫だよ。それより、メール送ったの見た?」

「え? 社内メール?」

「ううん。社内メールじゃとてもじゃないけど言えないこと」

その言葉に狼君の尻尾が大きく振りだしたけど、良い事ではないと思う。
結局ファイルを1個持ってくれた狼君と一緒に歩き出すと、木田さんと柴田さんが前から歩いて来ていた。
「今から会議?」
「紺野さんとペアなの?」

「あははは。そうみたい」

重い気持ちが、ファイルを持ってもらうだけでは軽くなるわけもなく、笑顔を作ったはずが引きつってしまった。


「別に嫌なのは、君だけではないけどね」

雰囲気をぶち壊す、鋭い言葉。
その冷たい声に、私は背中を鋭くナイフで抉られる様な――致命傷を負った。