ワンコorオオカミですか!?

月が、私と美国笙の表情を上手に隠す。

月影が、長く道路へ走り、私の走った道にいつまでもいつまでも、長く続いていく。


もし、私が美国笙を怖がらなかったら、声をかけられても逃げださなかったと思う。

そうすれば、あの人も大事な落としものに悔いることもなかったんだ。


でも、それは私に冷たく突き放した言葉を投げつけたのが、原拠だから。


猫の爪の様な、細い月の下では、誰の表情も心も見えやしなかった。

上手に雲が隠して、見えないように後ろから援護射撃する。



白い靴下を履いた、猫。



この子を私が胸に抱いたことによって、――交わり、動き出す。




後ろから肩を捕まえられれても、恐怖から走っていた私は振りほどく勇気もなかった。


「先輩? 俺ですけど」
「え?」

「そんなに慌てて走って、何か合ったんですか?」