「おい、地山!」
昼食中だった部長が大急ぎで帰って私を見るなり大声で名前を呼ばれてしまった。
「地山、お前凄いな」
息を切らした部長が、私の右手を無理矢理掴むと、ぶんぶん振り回してきた。
セクハラで訴えるべきか、痛いから暴力で訴えるべきか。
「もしかして!」
「デザインが採用ですか!?」
私より先に気付いた二人が、眼鏡を放って部長の方へ駆けよって行く。
あの、高価な眼鏡って言いましたーーよね?
「美国笙のデザインでは無く――お前が選ばれたんだぞ、喜べ、地山」
「――ええ!?」
「きゃーすごーい! おめでとうー!」
私を除けて、盛り上がる三人。
だって私、さっき散々子供の落書きだとか馬鹿にされてたのに。
それなのに、私が選ばれちゃったんだ。
おおおー。
良かった。さっき狼君が庇ってくれたけど、これで狼君にも迷惑かけないで済みそう!
「やったー。ありがとうございますー」
「詳しい内容は、FAXが届いてからだがな。打ち合わせと契約で向こうへ明日伺うから時間の確認の連絡もしろよ」



