ワンコorオオカミですか!?


「ヤバいヤバい。絶対に美国部長怒ってるよ。サンタを返せって怒鳴ってくる。一年立っても五月蠅いんだから」

「本当だよ。あの人、ちょっと執着しすぎなんだよな。サンタにも美冬にも」

「――あ、コレ、狼君落としてたよ」

美国部長にその手の話を誤魔化す為に適当に話を変えた。
けれど小さな箱を目の前に差し出すと、狼君の顔が急に青ざめると思ったら真っ赤になった。

「狼君?」
「ああああああ。俺の馬鹿。
店について、ゆっくりしてから渡すつもりだったのに」

くやしげに壁を叩くと、タクシーのクラクションが鳴る。

そのまま私に引きずられるように無言で乗り込んだあと、狼君が開けて良いよって拗ねたように言った。

「えっと。私が開けてもいいの?」

つまり私にくれるものなんだよね?
そう首を傾げると、拗ねたようなばつが悪そうな、何とも言えない後悔中の狼くんは頷く。

重みのある蓋をゆっくりと開ける。

中はベルベットの布で覆われていて、真ん中に小さな宝石がついた指輪が入っていた。

「美冬の仕事が成功したら言おうと思ってたんだ。結婚して下さいってね」

悔しげにそう言うと真っ赤になって外を向いた。


そうやって、私が思っている事や考えていること以上にお互いの事を狼君は考えてくれるし見ていてくれる。

「ありがとう」

私も真っ赤になって狼君の手を握ると、小さく頷いた。