ワンコorオオカミですか!?

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それから一年近くが経って、私と狼くんは今、ハッと目を覚ますと同時に寝室から飛び出した。






「ヤバい! 狼君、狼君、やばいよ。もうこんな時間になってるよ」

段ボールをひっくり返しながら、今日着ていくスーツに合うピンクのパンプスを探す。

「開店時間って確か9時じゃなかったっけ? もう9時半だよ」
「関係者だけは一時間早く入って良いって言ってたの。わー。まさか引越しの次の日に、猫カフェのオープンと重なるとは思わなかったよね。先にいくね!」


初めて狼君と結ばれて恋人になってから一年近く経過していた。

バタバタと仕事がお互い忙しくなり、狼君が同棲同棲騒いでいたのに、やっと今日、狼君の部屋に荷物を移動したり処分したりして、作業は終わった。

ほとんど作業は後回しに一緒に住んでいるようなものだったからずるずると後回しにしてしまった。

そして使われていない部屋の事もこっそり教えてくれた。
狼君は何社かブランドと契約していることと、それを会社経由で仕事するよりもフリーで働いた方が自由に動けるからと。

もう少し経験を積んだら独立したいらしい。

私よりも忙しい狼君は、一緒に定時で上がれることも少なくなったから、ついつい引越しの荷物とかも私は後回しにしてしまうので、漸く重い腰を上げた時には、猫カフェのオープンと重なってしまっていた。

色々と建築物や周りの建物との景観の問題だったりとかをクリアさせて、クライアントさんと色んな所に頭を下げてやっと完成した。
観月さんは、美国部長に途中で振られてしまったりとプチハプニングもあったけれど、なんとか一緒に頑張って来れた。

急いでタクシーを拾いに走った狼君の上着から何か落ちた気がしたけれど、今はそれどころではなかった。


まさか、引っ越しの業者さんが遅くなって、後片付けとか寝る場所の確保だけで凄く時間を取られてしまうとは。

お互い寝たのが遅くて、しかも携帯に充電もしていなくて、狼君にしてみては意外なミスばかりしていた。

「美冬! タクシー捕まったよ!」
「今行く」

変えの眼鏡をカバンに入れながら、急いで靴を履く。
その時に、狼君が落として行った小さなは箱も手に持って急いでエレベーターへ向かう。