見たいと思うし、見たくないとも思うし、知りたいと思うし、今すぐ逃げかえって布団の中で震えて隠れたいとも思う。
「それって、先輩として好きじゃなくて『美冬』と好きで、尊敬する先輩の世界観が壊れても好きってこと?」
「ストレートに聞くなんてズルイですよ。先輩はそんな感情隠してしまって自分にさえ見せない癖に」
クスクス笑いながら、狼君の指が私の頬に触れた。
「本性を出していいなら、先輩がずっと隠れて逃げていた美しい世界を壊します。頬に触れて、唇をなぞって――指を入れて薄く開かせて――全て奪います」
スルッと頬から唇へ指が移動した。
「恋愛なんて、どろどろした感情も、欲望も、貴方を思う情熱も、全て混ぜて入り乱れているんですから」
それを知りたいと思う。
それを知りたくないと思う。
ソレが愛おしいと思う。
私の身体が震えたのは、恐怖心からじゃなかった。



