ワンコorオオカミですか!?

「自分の作品が――立体で現実に姿を現すなんて素敵だと思わないか?」

ガラスケースを覗きこむ形で座っていた私の横に、美国部長が座りファイルを捲る。
「俺が始めてデザインが採用されたのは大学の時で、猫の缶詰めのパッケージだ。10周年記念特別デザイン募集とか、そんな一発だけの形だった」

捲られたページの、デザインが印刷された用紙には、猫が口の中いっぱいにご飯を頬張っている。今の冷たく横暴な美国部長からは想像できない、メルヘンチックでファンシーだ。

「だが、結構評判が良くてそのままシリーズ化され俺がデザインを任された。その時に、自分のデザインが世に出る、人に評価される楽しさを知り、いつしか大きな建築物ばかりデザインしていた。――俺は誰かに評価されたかったのか見つけて欲しかったのか」

ペラペラと捲ると、荒削りだけれど美国笙という人間が迷いながらと戸惑いながらもデザインをしているのがよく分かる。

「だからか、お前みたいに一人の世界で閉じこもっている癖に形にしてもらうのを、たかが人間が嫌だとか文句言っているやつが好きではない。――始めからお前は好きじゃなかったな」

「それって、結構酷いですね。私は貴方の顔さえよく拝んだこと無かったのに」