その仕草に、その目に、その甘い表情に、捕われて息が吸えなくなって足が上手く私を支えてくれなくなる。
綺麗だった。
どこかの偽物の暴君王子とは違う、本物の王子様。
でも、違う。
触れられるのは――怖くなる。
ピリピリと胸が痺れて、逃げだしたくなる。
怖い。
その仕草をする狼君には、犬の尻尾も耳も似合わない。
似合わないのに、ギラギラした獰猛な目が冷たく静かに私を捉えている。
「び、びっくりした。今日の狼君、ちょっと雰囲気が違う。夜の月明かり効果かなあ~」
あはは、とのんびり笑いながら、狼君を引っ張るように歩き出す。
サラッと、狼君の手から逃げた髪が私の心に纏わりついてきつくきつく締めつける。
びくともしない狼君の身体を、片手で懸命に引っ張るのに。
石の様に狼君は動かなかった。
「狼君、帰らないとサンタも寂しがるけど、その、悩みならウチの家で聞こうか?」
遅刻寸前で飛び出した家だけど、それで良いと言うならば。
綺麗だった。
どこかの偽物の暴君王子とは違う、本物の王子様。
でも、違う。
触れられるのは――怖くなる。
ピリピリと胸が痺れて、逃げだしたくなる。
怖い。
その仕草をする狼君には、犬の尻尾も耳も似合わない。
似合わないのに、ギラギラした獰猛な目が冷たく静かに私を捉えている。
「び、びっくりした。今日の狼君、ちょっと雰囲気が違う。夜の月明かり効果かなあ~」
あはは、とのんびり笑いながら、狼君を引っ張るように歩き出す。
サラッと、狼君の手から逃げた髪が私の心に纏わりついてきつくきつく締めつける。
びくともしない狼君の身体を、片手で懸命に引っ張るのに。
石の様に狼君は動かなかった。
「狼君、帰らないとサンタも寂しがるけど、その、悩みならウチの家で聞こうか?」
遅刻寸前で飛び出した家だけど、それで良いと言うならば。



