祐が来て、少ししてから漸くやってきた数学教師の片田。





「悪い、遅くなった」





いや、もう来なくてよかったんだけど、正直。



片田は俺を見つけるなり、ニヤリと笑った。……嫌な予感しかしない。





「凛条」



「……はい」



「やっと見つけたぞ!!」





いきなり大声出すな、うるさい。





「お前、また点数悪かっただろ!!」



「……何のですか」





「数学のテストに決まってんだろ!!」





……だから、煩い。鼓膜破れる。そんなに怒鳴らなくても聞こえてるっつーの。





「あー……」



「あー……、じゃねぇよ!!」