「陸。ありがとうね、助けてくれて。」


私は挨拶していた葵たちに駆け寄った。


慌てた葵が私を支えていたけど、もう倒れないわよ。


「おかあちゃま………大丈夫ですか?」


心配そうにお腹をペタペタ触る。


「大丈夫。じゃあもう少し挨拶しなくちゃ、出来る?」


「はい、出来ます!」


満面の笑みで敬礼した陸の笑顔は葵に似ているな……なんて思っていた。







パーティーが終わって家に帰り、私たちは3人でテーブルを囲んでいた。


「はい、ケーキ。私が作ってみたの。」


チョコレートをベースにしたホールのティラミスケーキ。


丁寧に切り分けて、メイドや執事にも配った。


「わーい!いただきます!!」


「すげーなこれ!でもずっと立っていたんだろ?大丈夫か?」


「大丈夫!もう………葵ってば心配しすぎだって。」


ケーキを食べ終わった葵は私に抱きついてキスしてきた。


「………んんっ………ちょっと何してるの?」


陸がいるってば!


「俺を頼らなかった罰だ。お祖父様だけじゃなくて俺にも頼れよ。」


………拗ねてるのか。


「おとうちゃま、おかあちゃまをこまらせちゃ、めだよ?」


「違うぞ、陸。これはお母様を愛しているのを形にしているだけだぞ?」


………ちょっと!


何言ってるの!?


顔を真っ赤にする私に、からかう葵と不思議そうに笑っている陸。


それに応えるようにお腹に痛みが走った。


「今蹴ったみたい。」


「そうか………無事に生まれろよ。」


葵は私のお腹にキスした………。


-ユリside end-