ビールを飲む俺はふと気づく。


「あー…飲み物何もなくて水しかねぇんだけど何か買って来ようか?」


頭の中で何があるかを思い出してみるものの、結局薬用に買っていた水しかない。

首を振る美咲に俺は立ち上がり、冷蔵庫の中からペットボトルを取り出した。


グラスに注いで美咲の目の前に置く。


「ありがとう」

「みぃちゃん、早く食えよ」


戸惑いながらも手をスプーンに伸ばす美咲。

そして軽く救ったチャーハンを口に運ぶのを見て、またホッとする。


「美味しい…」

「良かった。って言っても俺、卵割っただけだけど」


卵割って、チャーハンの素を振りかけただけじゃねぇかよ。と思い苦笑いに変わる。

そんな俺にやっと美咲の顔から笑みが零れた。

その笑みが俺の嬉しさとなり、また笑みが零れる。


先に食べ終わった俺は、まだゆっくりと食べている美咲から離れタバコと灰皿を手に立ち上がる。

ベランダに出てタバコに火を点けると同時に、軽く空を見上げた。

真っ暗な空。かと思えば街並みも明かりなどほとんどない。


時間が時間なだけに、街並みは静けさを伴っていた。


タバコの煙と同時に吐き出すため息。

そしてふと思い出したそれに俺は手を伸ばした。