「俺そん時からずっと自分責めてさ、今でも時々自分責める時がある。だから、そんな時はよくここに来る」

「……」

「それから学校辞めてトビ職になったけど、下っ端すぎて金も少ねぇし生活すら出来なくて18の時にホストの道に進んだ。二十歳の時にナンバーワンに上りつめたけど、トビの仕事も辞めなかった」

「……」

「いつかはホストから抜けようと思ってるし、俺トビの仕事が好きだから…」


そこまで言って思わず情けなさの笑みが漏れる。

なぜ二つも仕事をするのか。って散々言われ、周りから呆れられる。

凄いとか、尊敬するとか言われるけど、別に俺からすればそんな事、尊敬の欠片も何もない。


ただ、頑張ることがお袋への最大の償いだったのかも知れない。

お袋が今まで散々頑張ってきたように、俺も身体までも削って頑張らねぇとって思ったから。


そんな事しか出来ない俺だからこそ、情けない笑みが込み上げてくる。


こんな過去話を美咲に言ったって、どうしようもねぇのに。

美咲からすると関係ない事。むしろ、こんな話聞きたくもないだろう。

それに…


「みぃちゃんは何でそんなに頑張ってんの?」


ゆっくりと視線を美咲に送る。

だけど美咲は視線を向けてくることはなく、ただ俯いて膝を抱えてた。


…だよな、そんな事言いたくもねぇよな。

こんな関係ねぇ俺に。