だけどアキが言う通り、よく居るんだと気付いたのは3週間経ってからだった。

意識してる訳でもない。

ただ、何故かわかんねぇけど目で追ってる自分が居る。

あの日から…

ずっと。


好意とかそんなものは何一つない。

ただ退屈そうに歩くその瞳。

この繁華街を賑わって楽しそうに歩いていく人達とは別に、つまらなさそうに歩く姿が気にってしまった。


そして不意に落ちない事がただ、一つあった。


女の隣には男が居る。

彼氏か…なんて言葉は頭の中には一度も思い浮かばなかった。


誰がどう見ても、彼氏だとは言える男じゃない。

いや?もしかしたら物凄く年上の彼氏かも知れない。

つか、そんな事はどうでもいいけど、この時は、ただの同伴客だとしか思わなかった。


それから何故かタバコを吸う理由で、いつも店の出入り口付近の壁にもたれ掛り、その女を探してた。

そう、ほんとに無意識のうちに人をかき分けるように人混みから気づけば女を探していた。


だけど。


「…マジか、」


思わず呟いた声とともに、咥えていたタバコを口から離す。

その瞬間に俺は顔を顰めた。


一瞬見間違えたかと思った。

だけど俺の前を通り過ぎて行ったのはまぎれもなくあの女。


しかも制服。

…高校生?


マジかよ、って言う言葉を頭の中で繰り返す。

それと同時に今までの男はなんだったのかと、一瞬にして考えてしまった。


そして最終的に辿り着いたのは援交。

この辺りじゃ、珍しくもない光景。


夜の街。繁華街だからこそ、いろんな人が集まる。

俺と同じホストに、ホステス。

サラリーマンに学生。

その中には援助交際をしている女子高生。


そんなのが当たり前の毎日だからこそ、何も思わないのが普通の日常になってた。