「お前が言いたいのはその間、待てねぇって事だろ?」


丁度、俺のマンションに着いて車を停めた時、蓮斗は俺を見て口を開いた。


「いや、待つけど。5年、なげぇなって思って」

「5年?5年も行くの?」

「そう」

「5年か。なげぇな、それは…」


そう言いながら蓮斗はタバコを取り出し、口に咥える。

窓を少し開けて、タバコに火を点けた。


「やっぱなげぇよな」


思わず苦笑いし、深く息を吐き出す。


「5年も経ったら気持ちも変わってるって事が言いたいわけ?」


蓮斗はタバコの煙を吐き出し、軽く笑みを作って口角を上げた。


「俺は変わんねぇけど…」

「俺さ、梨々花に言ってんだよ。好きな奴が出来たらそれを俺に伝えて俺とは別れろよって」

「は?なにそれ」

「それに俺は引き止めもしねぇし、一緒にいる気もないって」

「どう言う事?意味分かんね」


昔から思ってた。

蓮斗の考えは他とは違うって。

でも、その他って言うのは誰と比べてんだろって思う事があった。


蓮斗の言葉を深く考えると、納得する答えがいつもある。


「アイツが好きになる奴はあいつが決める事であって俺が選ぶわけでもないからな。梨々花が俺以外の奴を好きなったら、それはそれで仕方ねぇなって思う。そーなってしまった自分に至らない所があるって事だろ?」

「……」

「だからそこは受け止めるつもり。探偵捜査してるからとかじゃねぇんだけど、二股とかそう言うのクソだりぃからやるんだったら別れろっつってんの。お互い遊びだったら別にいいけどよ」

「……」

「俺も他に女出来たら梨々花とは別れる。俺は隠さねぇって言ってある」

「なにそれ」

「梨々花も同意してる。まぁでもあれだな、離れていくのは梨々花だろうな。今までさ別れた女の理由がもっと会いたいだの逢いたい時に会えないとか、そんな感じ?だから、じゃあ別れよってな感じだしな。俺、そこに未練なんもねぇし」

「相変わらずさっぱりしてんな、お前」


クスクス笑う俺に、「だよなー、自分でも思う」そう言って、笑いながらタバコの灰を灰皿に打ち付けていた。