寝室に入ってクローゼットの中からスーツを取り出す。
それに着替えて、俺はリビングに向かった。
ソファーの上で膝を抱えてテレビに視線を向ける美咲の姿から視線を逸らし、テーブルに置いてある腕時計を嵌める。
「みぃちゃん、そろそろ送る」
「うん」
美咲はテーブルにあるリモコンでテレビを消し、鞄を肩にかけ立ち上がった。
「もうその姿も今日で最後だな」
「うん?あぁ、制服?」
「うん、そう」
美咲は着ている制服を見つめた後、俺に視線を送り頬を緩ませた。
「そうだね」
「卒業おめでと」
「ありがとう」
「最後にほら、」
美咲の前で両手を広げると、美咲は苦笑いで俺を見つめた。
「なに?」
「おいで。その姿抱きしめんの最後だから」
「もぉ、なにそれ」
そう言いながら俺の身体にスッポリとおさまってくれた美咲の身体を俺は強く抱きしめた。
そして美咲の腕も俺の背中へと回る。
「頑張ったな。みぃちゃんのそう言うところ尊敬する」
「なにそれ。尊敬する人、間違ってるよ」
「間違ってねぇよ、ほんとのこと」
「私はそれ以上に翔の事を尊敬してる。凄いなって、ずっと思ってた」
「みぃちゃんは男の見る目ないねぇ…そんないい男でもなんでもねぇのに」
「それは翔もでしょ?お互い様じゃん」
「お互い様って、」
思わず苦笑いしてしまった俺は美咲の身体を離し、
「そう言うことにしとくわ」
言葉を続けて俺は玄関に向かって足を進めていく。
駐車場まで足を進め、車に乗り込んでエンジンを掛けた。
「また帰って勉強すんの?」
「うん。最近は寝る前にしてる」
「すごいね、みぃちゃんは」
「凄くないよ。だって英語しかしてないもん」
「その英語が凄いって言ってんの。俺、喋れねぇもん。日本に帰って来た時、英語で話しかけんなよ」
「あー…ほんとだ。そうなってるかも」
「おーい、ならねぇだろうが」
クスクス笑う美咲に俺も笑みを漏らす。
離れるのが名残惜しいと思うのは俺だけだろうか。
日にちが削られていく事にそう思うのは俺だけだろうか。
それに着替えて、俺はリビングに向かった。
ソファーの上で膝を抱えてテレビに視線を向ける美咲の姿から視線を逸らし、テーブルに置いてある腕時計を嵌める。
「みぃちゃん、そろそろ送る」
「うん」
美咲はテーブルにあるリモコンでテレビを消し、鞄を肩にかけ立ち上がった。
「もうその姿も今日で最後だな」
「うん?あぁ、制服?」
「うん、そう」
美咲は着ている制服を見つめた後、俺に視線を送り頬を緩ませた。
「そうだね」
「卒業おめでと」
「ありがとう」
「最後にほら、」
美咲の前で両手を広げると、美咲は苦笑いで俺を見つめた。
「なに?」
「おいで。その姿抱きしめんの最後だから」
「もぉ、なにそれ」
そう言いながら俺の身体にスッポリとおさまってくれた美咲の身体を俺は強く抱きしめた。
そして美咲の腕も俺の背中へと回る。
「頑張ったな。みぃちゃんのそう言うところ尊敬する」
「なにそれ。尊敬する人、間違ってるよ」
「間違ってねぇよ、ほんとのこと」
「私はそれ以上に翔の事を尊敬してる。凄いなって、ずっと思ってた」
「みぃちゃんは男の見る目ないねぇ…そんないい男でもなんでもねぇのに」
「それは翔もでしょ?お互い様じゃん」
「お互い様って、」
思わず苦笑いしてしまった俺は美咲の身体を離し、
「そう言うことにしとくわ」
言葉を続けて俺は玄関に向かって足を進めていく。
駐車場まで足を進め、車に乗り込んでエンジンを掛けた。
「また帰って勉強すんの?」
「うん。最近は寝る前にしてる」
「すごいね、みぃちゃんは」
「凄くないよ。だって英語しかしてないもん」
「その英語が凄いって言ってんの。俺、喋れねぇもん。日本に帰って来た時、英語で話しかけんなよ」
「あー…ほんとだ。そうなってるかも」
「おーい、ならねぇだろうが」
クスクス笑う美咲に俺も笑みを漏らす。
離れるのが名残惜しいと思うのは俺だけだろうか。
日にちが削られていく事にそう思うのは俺だけだろうか。



