「あー…、もうひとつ仕事してますもんねぇ」

「そう。だから眠いから寝たい」

「なるほど」

「さぁ、ほんとにそれが原因かどうか分かんねぇけどな」


クスクス笑う流星にアキは不思議そうに流星を見る。


「え?他になんかあるんすか?」

「あるかもねぇ…」

「それ意味深っすねぇ」


そんな2人から視線を逸らし、タバコを咥えるとポケットに入れているスマホが鳴りだす。

咥えたまま取り出し画面を見ると、思わず流星を見てしまった。


…実香子。


「なに?」


俺が視線を送ったせいで流星が小さく呟く。


「いや、」


そう言って立ち上がり、俺は店の外へと駆け足で向かい、なり続ける電話に俺は出た。


「はい」

「翔くん?」

「どした?」

「あのさ、前言ってた事だけど」

「前?」

「え、もしかして忘れたの?」

「なんか言ってたっけ?」

「ほら、彼氏役してねーって話」

「あ、あぁ…そんな事忘れてたわ」

「やっぱり、そうじゃないかなーって思ってた」


電話越しから聞こえる実香子のため息がやけに大きく耳に伝わる。


「いや、それってさ、俺じゃなきゃダメなのかよ」

「翔くん以外に居たらその人に頼んでるよ」

「だよな。…え?今からとか言うなよ」

「違うよ。来週とかその辺」

「わかった」

「またなんかお礼するから」

「なんもいらねぇー…」


苦笑いに呟く俺に実香子のクスクス笑う声が聞こえる。


「でもなんか悪いから」

「別にいいって。また決まったら言って」

「うん」


電話を切った後、思わず深いため息を吐き捨ててしまった。

今思えば、アイツも変な男によく引っかかってんな、と思った。


つか、なんで俺こんな事引き受けたんだろうと思ってしまった。

正直、めんどくせぇ。

でも実香子に言われたら何故かしなきゃいけねぇなんて思ってしまう。

どうすっかなぁ。と思いながら次の日の昼休憩に思わず目の前にいた人物に俺は頬を緩めた。