…冷た。

美咲の唇がやけに冷たかった。

相変らず冷たい唇。


その冷えた唇を温める様に、俺は何度も重ね合わせる。

どちらが。と言うわけでもなく、必然的にソファーに座りこんでそのまま美咲の背をソファーに付ける。

覆いかぶさった俺は、一度、唇を離し美咲を見つめた。

美咲の頬に左手を滑らすと、冷え切った頬の冷たさが手のひらに伝わる。



「…みぃちゃん?」

「うん?」

「俺の事、好き?」

「…え?なんで聞くの?」


戸惑うように呟く美咲に俺は苦笑いを漏らす。

やっぱ、美咲だな。と、思ってしまった。

好きとは返さずに、そう聞き返すところが。


「確かめてんの」

「確かめる?なんで?」

「ほんとに俺の事好きなのかなって、」

「…それ、私のセリフだよ」


何故か悲しそうに笑う美咲に、申し訳なく感じた。

まだそう思ってるほど不安って事かよ。

ごめん、俺がそうさせてんだよな。


「俺は好きだよ」

「私も好きだよ」


やっと言ったその言葉に頬を緩ませる。

そしてそのままもう一度、唇を重ね合した。


何度も重ね合わせると同時に美咲の腕が俺の首に回る。

そのキスに溺れたのは言うまでもなかった。


…ー俺の理性が飛ぶ前に、


「…ごめん、これ以上進むと、みぃちゃんを帰したくなくなる」


どこかで辞めないとー…


俺の首に回ってる美咲の腕を掴むと、必然的に離れていく。

その離れた手が俺の頬で止まり、美咲は頬を緩めた。


「それは困る」

「困るってなんだよ、」

「バイト行けなくなっちゃう」

「俺、バイトに負けたって事?」

「うーん…、そうじゃないけど」


濁すように呟く美咲にフッと鼻で笑い、俺は美咲から離れる。

と同時に美咲は身体を起し、乱れた髪を整えた。


ほんとに、コイツは…と思うと苦笑いが漏れる。