「だから今さぁ、楓それどころじゃないんすよ」


そう言いながらケラケラ笑う流星に視線を送り眉を寄せる。


「え、あぁ。さっき言ってた女か」

「そーなんすよ」


こいつ、また余計な事いいやがったな。と思いながら深いため息を吐き出した。

ほんと俺の事しか話す事ねぇのかよ。


「いや、でもな。俺もすげぇ気持ち分かんの。桃華に夢中になりすぎて翔に抜かされて、当時の代表居ただろ?ルキアさん。あの人にすげぇ怒られたしよ」

「ルキアさん、あの人マジ怖いっすよ。俺も怒られた記憶あるわ」


そう言って俺は記憶を辿り苦笑いをする。


「お前はあれだろ、昔の喧嘩仲間が押しかけて来た時だろーが」

「そうそう。で、NO1なったら見込みがあるから居座ってもいいけど、そうじゃなったら辞めろって言われたわ。迷惑って。んで、その事を社長に言って、社長も言い出してきて」


当時の懐かしさに笑みが零れる。

別にNO1になる為に入った訳でもない。

ただ、ある程度のお金が欲しかったから入った訳で、NO1を目指すためにホストになった訳じゃなかった。

でも、当時の俺は変なプライドの所為で、なればいいんだろって感覚しかなかった。


「あの人の指導力半端なかったわ。すげぇ尊敬出来っけど、ちょっとうっさかったなー…」


苦笑い気味に笑う蒼真さんは懐かしそうに語る。


「いや、でもコイツもルキアさん引き継いでっから、まじうっさいっすよ」


蒼真さんの隣に居る流星を顎で指し、ポケットから煙草を取り出し、咥える。

テーブルにある誰か分からないライターで、火を点け、もう一度ソファーに深く腰掛けた。