店に着き、店内に入ると騒ぎ声と笑い声が響き渡る。

その声を耳にしながら俺は洗面所に向かい、顔を洗った。

リアだけじゃなく、最近やけに不意打ちのキスが堪える。

昔は別にキスくらいって思っていたけれど、最近は物凄く重い。


美咲が頭に過る所為か、勝手にされるキスが不快に思う。


顔を洗って、冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し、それを喉に流し込む。

それを手にしたまま店内に入ると、蒼真さんの周りに何人か集まって騒いでいる。


その場に行き、俺は蒼真さんの前のソファーに腰を下ろした。


「おぉ、そのままアフター行ったんかと思ったわ」


タバコを咥えた蒼真さんが俺を見てクスクス笑う。


「いや、誘われたんすけど断った」

「は?お前、あの令嬢リア様断ったのかよ」

「あぁ」

「あの女断るのお前くらいだろ。すげぇね、お前」


そう言って蒼真さんはクスクス笑って、タバコを咥える。


「いや、だからその埋め合わせ、どうすっかなーって思ってる」

「重そうだな、そのご奉仕は」

「そうっすねぇ…」

「あのリア様が納得するまでのご奉仕って、何があんだよ」

「何もねぇよなぁ…」

「寝るしか満足しねぇだろうよ」

「そんな事しねぇわ」


思わずため息を吐き捨て、俺はソファーに深く背をつけて、持っている水を口に含む。

そんな俺に蒼真さんはクスクス笑みを漏らした。


「で、同伴とかアフターとかしてんの?」

「最近あんましてねぇな、他の女とも。流石に断ってばかりじゃダメって思うけど」

「してねぇのにNO1かよ。お前はやっぱり顔パスかよ。すげぇね、やっぱりお前は」

「いや、全くって訳じゃねぇけど。毎日言われるわけでもねぇし。って、言うか何もしねぇで1番なんかなれねぇっすよ。蒼真さんだってわかってんだろ?」

「いや、俺とお前は違うからな」


意味深に呟いてタバコを灰皿に打ち付けて、笑う蒼真さんの隣に、流星が腰を下ろし、笑みを浮かべた。