「にしてもよ、沙世さんって人あれは確かに綺麗な。ユウトがずっと言ってたからな。アイツも言ってたけど全然付き合えるわ」

「はっ?お前馬鹿じゃねぇの?沙世さん45だから。俺らと20も違げぇんだけど」

「いや、年齢って関係ねぇな」

「もー、なんなのお前ら。そんな事言ってっと梨々花に怒られんぞ」

「アイツは怒んねぇよ。お互い好きな奴出来たら別れるって同意してるから」

「なにその意味分かんねぇ同意」

「そう?」

「つか、流星と沙世さん出会ったらいらん事言い過ぎ」

「お前の女の事だろうが」

「まぁ…、うん」


そう言って蓮斗は面白おかしく笑った。

あながち間違ってはいない。

俺が美咲を好きになったばかりか、そんな俺を流星は楽しんでいる。

タバコの煙と同時に深くため息を吐き出し、タバコをすり潰し火を消した。

窓を閉めて、少しだけ背もたれを倒して額に腕を置きため息を吐き出す。


「なんなの、お前。咳の次はため息かよ」

「なんで俺、アイツの事好きになっちまったんだろー…」


不意に呟いてしまった俺に蓮斗の笑い声が漏れる。


「知るか、そんな事」

「マジで、アイツ会いたいとも一言も言わねぇの」

「知らねーよ、んなこと。美咲ちゃんに聞けよ」

「……」

「今までの女が会いたい会いたいの女だったから新鮮でいいじゃねぇかよ」

「新鮮ねぇ…」


これを新鮮だと言うのだろうか。


クスクス笑う蓮斗は俺の肩をたたいて、「ま、頑張れよ」そう言って再び笑いに変えた。

暫くして目的地に着き、蓮斗が車を停める。

車から降り、蓮斗と足を進めた時、前方にいるタケルに思わず顔を顰めた。


「あー、2人のオーラが眩しいっす」


馬鹿じゃねぇのか?と思いながら俺は更に顔を顰める。


「俺はお前のオーラでしんどいわ」

「は?なんすか、それ。久々に会ったのにそれはねーっすよ」

「朝から元気だな、お前」


蓮斗はクスリと笑ってタバコを咥え火をつける。


「今日の昼飯は何食います?」

「あ?んなもん、翔に言えや」


聞こえてないふりをし、俺は先々に足を進めた。

背後から、「翔さーん」と、タケルの声が飛んでくる。


そして駆け足で俺の隣に来たタケルは頬を緩めた。