「罪悪感?なんで?」
「いろんな女の子を抱きしめたり、時にはキスされたり…ってとこ?」
クスクスと笑う沙世さんにまたため息を吐き出してしまった。
「罪悪感ねぇ…」
「翔くん、本気で彼女の事好きなんだ。なんかあれだね、昔よりすごく変わったね」
「昔ね、」
「だから聞いたのよ。遊びだったら辞めてって。中途半端な気持ちなら居ないほうがいい」
「俺、中途半端な奴を家に居れないから」
「そっか。そうだったね。それは昔から言ってるもんね」
「あぁ」
「あー…、でもあれかなぁー…翔くんが遊ばれてなきゃいいけどね」
クスリと笑った沙世さんは頬を緩め、一瞬だけ俺に視線を向けた。
「あー…え?俺が遊ばれてるって事?」
「そうそう」
「え、あ、そっちかよ」
思わず鼻で笑ってしまった。
それは考えていなかった。
そんな事、今まで一度も考えた事なんてなかった。
「だってさ、そんなにお金持ってたらさ、傍に置いときたいじゃん」
「そういうもんなの?いい男じゃなくても?」
「いい男じゃなくても金持ってたら、そこを利用するじゃん?私だったらアレ買ってこれ買ってって言うかも」
「沙世さんって、そんな事、哲也さんに言ってたのかよ」
「言うわけないでしょ。当時のあの人はお金なんて持ってなかったし」
「そっか」
頬を膨らます沙世さんに俺はフッと鼻で笑う。
「つーか、アイツ俺にそんな事一度も言ったことねぇわ」
「えぇっ、そうなの?」
「ねぇな、一度も」
「へぇー…そうなんだ。翔くんの事、お金で見てないんだ」
「は?どう言う事だよ、」
「すごいなって思って。高校生の私だったらお金で見ると思う。年上の男をお金で見るよ」
「沙世さんとアイツは違うから」
アハハと笑う沙世さん。
てか、なんで俺もこんな話を沙世さんとしてんだよ。と思いながら小さくため息を吐き出した。
ほんと、美咲は何も言ってはこない。
欲しいものとか買ってほしいもの、そして会いたいの一言もない。
そう思うと、思わず苦笑いが漏れた。



