「早く行ってこいよ」


煙をふかしながら流星は面白そうに俺を見つめた。

重い腰を上げ、俺はリアの場所へと向かう。


「久しぶり。元気にしてた?」


リアと会うのはいつぶりだろうか。

相変わらず令嬢の雰囲気をかもちだすリアに周りの視線が時折向けられる。


「元気なわけないでしょ。楓と会ってないんだから」

「来れないほど忙しかったのかよ」

「そうね」

「へぇー…それって仕事が?それとも男?」

「どっちもよ」

「どっちもか。リアが来ない間、寂しかったよ」

「じゃあ、その寂しさを埋めてあげようか?」

「高そうだな、お前のご奉仕は」


クスリと微笑んだリアはワインを頼む。

そのワインをあけ俺はグラスに注いだ。

リアは大切な客だとしても、俺の寂しさを埋める事など出来ない。

今までずっとそうだった。

美咲以外に誰もいない。

グラスを手に取り、リアはワインを口に含み、クスリと笑みを浮かべた。


「試す?」


俺の目を見て、微笑むリアにフッと緩く口角をあげる。

このままいけばリアの流れになってしまうだろう。

それを否定するかの様に俺はポケットから出したタバコを咥えた。


「俺は満足できてもリアは満足出来ねぇかもだな」


フッ口元を緩め、タバコに火を点ける。


「じゃ満足するまで寝てくれるの?」

「他の男としてんのに、よく言うね」


案の定、数回吸っただけで乾いた咳が出る。

グラスに入った水を飲み、まだ吸えるタバコを灰皿に押し潰した。

必然的に出るため息。

理由もわからない咳に、ずっとため息が止まらなかった。


そんな事も知らず、リアは俺の首に両腕を絡める。


「愛してるのは楓だけ」


そう言ったリアの唇が俺の唇に触れようとした時、

「おっと、酔いすぎじゃね?」

その唇をサラッとかわし少し身を引く。

そんな俺にリアは眉を顰めた。