沙世さんに連れて来られた場所は住んでる所から30分の総合病院。


「ってか、なんでこんな遠い所なわけ?」


近くの総合病院ではなく、離れた場所。


「こっちからの指定日なんて空いてなかったのよ。だから私の知り合いに頼んで、無理言って頼んでもらったの」

「そこまでしなきゃいけねぇことかよ」

「そうよ」


未だ気分がのらないまま、俺は気だるそうに車から降り受付へ進む。


「沙世さん、もう帰っていいから」

「最後までいるわ」

「は?いや、子供じゃねーんだし帰れよ」

「本当に検査を全てするかみてないとね」

「もう来てんだから、するだろ」

「翔くんの事だから分かんないわ。途中で帰るかもだしね」

「帰らねぇし」


そう言ったものの、検査が行われる間、すげぇ帰りたいと思ってしまった。

血液検査にCT、ほぼ人間ドック並の検査に、来るんじゃなかった。と、まで思ってしまった。


「お疲れ様」


全てを終わらせ待合室にいる沙世さんをみた瞬間に深いため息を吐き出す。


「なんなの、これ。聞いてねぇんだけど」

「だから検査って言ったじゃない」

「検査しすぎ」

「だって、病院に行って薬は貰うけど、検査なんてなかなかしないでしょ?毎日お酒飲んでるんだから、定期的に検査しないと」

「……」

「で。結果は一週間後くらい?」

「あぁ」

「じゃ、また来るから」

「はっ?ガキじゃねぇんだし、それくらい自分で聞きにくるわ」

「だめよ。あなた結果を隠すじゃない」

「隠さねぇわ」

「そう?」

「そーだって」

「じゃ、結果ちゃんと教えるのよ。教えなくてもココに聞きにくるから」

「はいはい」

「今日はもう夜の仕事休んじゃえば?」

「そうもいかねーよ」

「あ、そう。大変ね、翔くんも」


あまりにも時間がかかりすぎたせいか、帰宅してすぐにスーツに着替えた。

帰りに飯なんか食うんじゃなかった。と、思いながら腕時計を嵌める。

針が18時を過ぎようとする。

タクシーで店まで行き、バック裏に進むと、


「楓さん、大丈夫っすか?」


彩斗の言葉でため息を吐き出した。