「どこまで悪いのとか全く分かんない。いつも薬飲んでるし…それ見るたびに怖くなるの…」
「……」
その言葉を聞いて、ようやく分かった気がした。
いつも普通に美咲の目の前で飲んでた薬が美咲の事を苦しめていたんだと、今初めて分かった。
そこまで何も考えていなかった。
そこまで美咲がそんな風に思って、考えていた事なんて何も知らなかった。
「あまりそう言うのって聞かないほうがいいのかもって思ってたけど、やっぱ気になるんだよ」
「……」
「私が…私が居ない間に翔が居なくなってたらどうしようとか…。そう言う不安が込み上げてくる」
今にも泣きそう。
それを無理やり我慢している所為か、美咲の瞳が赤くなる。
俯く美咲に軽く息を吐き出し、その不安を振り払おうと、俺は平然を偽った。
「だから勝手に殺すなって」
フッと顔を緩め、俺は新しいタバコに火を点ける。
だけど俺とは違って美咲の表情はあまりにも暗く、さらに顔を顰めた。
「ねぇ…翔?」
美咲の不安な声に思わずため息を吐きだしてしまった。
今は俺の心配より自分の事を心配しとけよ。なんて言えるはずもなく。
「大丈夫」
ただ、その言葉しか思いつかなかった。
「大丈夫の意味が分かんないんだけど…」
「みぃちゃんが心配する事じゃない」
思わず冷たくあしらってしまった俺は美咲の表情を確認した後、後悔する。
咥えていたタバコを灰皿に押し潰し、ごめん。と口を開こうとした時、
「…何それ。心配しちゃいけないの?」
低い冷たい美咲の声が耳を掠めた。



