「なぁ?お前さ、」

「うん?」

「お前、実香子とどーなってんの?」

「実香子ちゃんねー…って、急になんだよ、お前」

「いや。会ってねぇのかなって、」

「会うわけねぇだろ。俺から振って別れてんのによ、」

「そ、だな…」

「そんな過去の話しなんか持ち出してくんじゃねぇよ。お前は美咲ちゃんの事だけ考えとけっつーの」


フッと笑ったその唇からタバコの煙が吐き出される。

そしてタバコをすり潰した流星は立ち上がって俺に背を向けた。


まるでこれ以上なんも話をしてくんな。と言うオーラが背中からやけに伝わる。

その流星の背中に一息吐き、俺は深くソファーに背を付けて天井を見上げた。


夜の仕事を終わらせ帰宅すると、ソファーで身を縮めて眠っている美咲に一息つく。


「こんな所で寝んなっつーの。風邪引くだろ」


そう言いながらタオルケットを美咲の身体に掛け、真向かいにあるソファーに身体を預けた。

寝転んで疲れを吹き飛ばすかのように一息吐き、腕で視界を遮る。


あれ以来、流星は何事も無かったかのように俺に接し、それが逆に俺には居心地が悪かった。

もう3年も前の事。


そう実香子と流星が付き合って、そして別れたのが3年前。

同じ学校で流星が高3で実香子が高2。

実香子の両親は厳しく、そして世間対を気にする親で、その厳しさ故に交友関係も厳しくされていた。


それから付き合う様になったが、実香子の親は流星の事をあまり良くは思っていなかった。

そう隠していたホストがバレると尚更。と言って良いのだろうか。

だから流星がプレイヤーから外れた時、実香子に別れを告げた。


そして俺は未だにアイツに言えずにいる―ー…