正直、ここまで堪えるとは思ってもみなかった。

馴れってもんが凄いと感じる。

ほんとここ数週間。

たった数週間。


何処かに出かける事もなく、夜の仕事を終わらせた後は予定がない限りすぐに帰宅する。

眠っている美咲に寄り添い、俺も同じように寝て、予定がない休みの日も寝る。

今までの俺からするとありえないくらいに眠り果てた数週間。

それは美咲も同じだろうけど、今日はこの1時間くらいの睡眠で勝てそうな気がしない。


昼の仕事を終わらせ一旦、家に帰るも案の定、美咲はまだ眠りについていた。

それもまだベッドの中。

一度は起きたのかもどうかも分からないけけど、そんな美咲にフッと笑みを漏らした。


「夜、寝れねぇだろ…」


まぁ、でもここ数週間ずっと寝っぱなしだったから、そうでもねぇのかも知んねぇけど、さすがに寝すぎ。

前までの美咲はどこにいったんだと思うと、思わず苦笑いが漏れた。

そのまま起きてこない美咲と会話もせず、夜の仕事へと向かう。


まだ早い時間。

俺はソファーに寝転び軽く目を閉じた。


「――…っ、おい楓っ、」


遠のく意識の中、不意に聞こえた声で俺はゆっくりと目を開ける。


「お前、始まる前から寝んなって」

「……」

「どした?なんでそんな眠いんだよ。珍しいな」


クスクス笑って口を開いて来る流星は寝ころんでいる俺の横で腰を下ろす。

腰を下ろした所為で流星と目が合い、意地悪そうに流星は口角を上げた。