グッと更に美咲の身体を引き寄せる。

お互いの体温が重なり、更に熱を増す。

何度も頭を撫ぜる俺に美咲は自ら身体を俺の方に向けた。


「ん?」


ジッと見つめて来た美咲に俺は首を傾げる。


「なんか、寂しくなるね」

「あぁ…ってか、みぃちゃんでもそんな事、思うんだ」


予想外の言葉が出た所為で俺は思わず笑みを漏らす。


「あるに決まってんじゃん。人間なんだから」

「まぁな。ってか、何笑ってんだよ」


どこで笑う内容があった?と思うくらい密かに笑みを作る美咲に眉を寄せる。


「いや、別に」

「…んだよ」

「いや、なんか何年か分かんないけど、もし5年だったら翔って、おっさんだなって」

「は?」


思わず口にだした美咲に俺は顔を顰め声を上げる。

つか、おっさんって。

その言葉言われたくねー…


「だって30過ぎじゃん」

「5年でもまだ30にもなってねぇよ」

「え、そうなの?」

「そうなのって俺を何歳だ思ってんだ?」

「うーん…25、6…」

「ちげぇよ、まだ23。みぃちゃんほどじゃねぇけど、まだ若いっつーの」

「うん、知ってる」

「お前、俺の事からかってんだろ?」


思わず顔を顰めた。

クスクス笑みを漏らす美咲の頬を俺は軽く引っ張る。

この顔を見たかった。

美咲の笑った顔がずっと見たかった。

美咲の不安そうな姿をずっと知っていたのに俺は何も出来なかったから。