「みぃちゃんのお母さんから受け取った」
「は?もっと意味分かんないんだけど」
「……」
「…ママに会ったの?」
「あぁ」
「え、ちょ…な、何で?訳わかんない」
そりゃそうだよな。
美咲が混乱して把握できないのは当たり前で。
むしろずっと言わなきゃいけないと思ってた事がこんなにも遅くなってしまった。
美咲が悩んで迷ってて、おまけに葵ちゃんから俺の存在で悩んでるなんて聞かされたら、もうはっきりと言わなきゃなんねぇだろって思った。
混乱する美咲。
本当は美咲に行くなよって言いたい気持ち。
でもそれは俺が決める事ではなくて。
気を紛らわす様に俺はポケットの中に入っているタバコの箱を掴んで取り出した。
口に咥え火を点け、俺は最初の煙と同時に言葉を吐き出した。
「アイツどうなってんのか分かんねぇって、諒也が言ってきたから」
「……」
「…だからみぃちゃんのお母さんに会ってさ、通帳受け取った」
「……」
「みぃちゃんのお母さん優しいな。初めて会ったのに俺に優しく接してくれたし」
「……」
「…心配してた。みぃちゃんの事」
タバコを咥えゆっくり煙を吐き出す。
隣に居る美咲に視線を向けると、美咲は通帳を手にしそれをゆっくりと捲っていく。
そんな美咲から俺は視線を外し、俯くようにタバコを咥え、足元をジッと見つめた。
「…何これ」
ポツリと呟かれた声。
美咲の小さな戸惑った声がやけに耳に張り付く。
タバコを口から離し、ゆっくりと顔を上げながら深く息を吐き出し、
「行っておいで」
俺は今まで言ったこともない言葉を美咲に吐き出した。



