「やっぱりな」

「……」


クスクス笑う流星から視線を逸らし、灰皿に灰を落とした後、俯いて咥える。


「だったら、そりゃ早く帰るわな」

「別に一緒に住んでるとかじゃねぇから。今は居る。ただそれだけ」

「一緒じゃねぇかよ」

「ちげぇよ。つか、お前。ペラペラ喋んなよ」

「言わねぇわ」

「店の奴には言うなよ」

「言わねぇって。言って広がったらお前の評価落ちんだろ?」

「評価?そもそも俺の評価ってなに?」

「んー…、No1を維持する事」

「評価でもなんでもねぇだろ、それ。…ついでだから言っとくけど、俺5年後ココ辞めると思う」


葵ちゃんから聞いた言葉。

5年間美咲は日本を離れる。

その5年後、俺はここを離れようと思う。

曖昧に、適当に考えたわけではなく、美咲が離れる5年間。

いつかは辞めようと思っていたホスト業界。

その期間だけ頑張って辞めようと思った。


「なんで5年後?その5年ってなに?」


短くなったタバコを消し、ペットボトルを手にした俺は深くソファーに背をつける。

そして一口水を含み、小さくため息を吐いた。


「…留学すんだって」

「へぇー…、留学ね。なんかスゲーな。で、帰ってくんのが5年って事?」

「そう。だから俺は辞める。どっちみち30までに辞めようと思ってたし、丁度いいかなって」

「それは本気で?」

「嘘言ってどうすんだよ。ちなみに言うけど、同情で好きになったとかじゃねぇから」


流星に言われた言葉。


″同情出来るから一緒に居たいとは違うからな″

″そんな事はただのお互い傷口舐めあってるだけだろーが″

″美咲ちゃんが可哀想なだけ″


何か思う度に頭の中を過ってた言葉。

だから流星にはちゃんと言おうと思ってた。

ちゃんと…