「いや、でも冗談っぽく言ってたんで間に受けない方がいいっす」

「そう言う問題じゃねぇよ」

「おもろいな、アイツ」


俺とは違って流星はケラケラ笑って、お腹を抱えている。


「つか、もうアイツまじで無理」


タバコを咥えたままポケットに手を伸ばしスマホを取り出す俺に、


「だから言わないって言ったじゃないっすか」


アキは苦笑い気味でそう口を開いた。

咥えたままのタバコの先端から灰が落ちそうになるのを気づき、俺は灰皿にすり潰す。


そして蓮斗の名前を探し出し、俺は耳に当てた。


「…はい」

「お前、明日タケルと現場代われ」

「は?急に何だよ、」

「タケルと現場代わって。頼むから」

「はぁ?お前と一緒んとこだろ?」

「あぁ」

「無理。そこの現場キツイしよ」

「そこをなんとかして代われよ」

「つか何だよ、何で代わんなきゃいけねぇんだよ」

「じゃ俺とお前が代わるわ」

「は?どっちも一緒じゃねぇかよ。結局、俺そっちじゃねぇかよ」

「じゃ、もう俺休むわ」

「は?お前休んだらどっちみち俺そっちに狩りだされんだろうが」

「だーから、頼むから――…」


そこまで言った俺の言葉がスマホを取る流星によって遮られる。

スッと手元から無くなった俺のスマホは流星の耳に渡り、


「よぉ、レン」


流星は笑いながら蓮斗の名を呼んだ。

そしてその笑いのノリでさっきの出来事を口にしていく。

思わずため息を吐き捨て、乾ききった喉に水を流し込んだ時、ガハハと流星がスピーカーにした所為で俺とアキが思わず反応してしまった。