確かに。

流星が言ってる事が間違ってるとは言えなかった。

学生の頃からそうだった。

追って来る女と共にし、だからと言ってその中から好きな奴を見つけようとはしなかった。

いや、ただ好きな奴が居なかった。

ただ暇つぶしで遊んでくれりゃそれでいいと思い、女も女でそれでもいいと言う感じだった。


付き合ってる女が居たからと言って、それが本気の恋愛だったのかも分からない。

自然消滅になるくらいなら、それほど好きなんかじゃなかったのかも、と思ってしまった。


昔過ぎて、今思えばどうでもいい話なんだろうけど…

だからと言って美咲に対する気持ちが本気なのかも分からない。

いや、本気か…

本気なんだろうけど、どうして美咲に対する扱いがわかんねぇんだろう。

つか、未だ美咲が謎すぎてわからない。

そんなアイツに好意を持ったのは俺だけど、どうして俺を見ると不安そうにすんのか。

どうして俺を見ると泣きそうな顔をするのか。

まじ、わかんねぇわ。


「同情でもしてんの?」


不意に聞こえた流星の言葉に閉じていた目をゆっくり開ける。


「…同情?」

「過去と重ね合わしても何もいい事なんてねぇだろ。同情出来るから一緒に居たいとは違うからな」

「……」

「そんな事はただのお互いの傷口舐め合ってるだけだろうが」

「……」

「だったら辞めとけ。お前の気持ちなんかどうでもいいわ。美咲ちゃんが可哀想なだけ」


こいつはいつだってそうだ。

ふざけてんのかと思う反面、時にズバリと厳しい事を投げかけてくる。


…傷口舐め合ってるだけ、か。

そうかも知れない。

いや、初めはそうだった。

だけど今は違う。