結局寝れず、俺が完全に目を開け起き上がったのは朝の6時半。

蓮斗からの電話で目が覚めた。


「…はい」

「カタついたからさぁー…お前の方に取り掛かるわ」

「頼む」

「で、他の奴にも手かりっけど、居場所候補が多いからお前も探して。急いでんだろ?」

「急いでる」

「場所なんこか送るわ」

「あぁ。悪いな」


電話を切った後、まだパソコンに目を向けている流星に視線を送る。


「お前、寝た?」

「寝れるか。起こせつっただろうが」

「あ、あー…悪い」


思考回路が停止するみたいに頭ん中が全く回転せず、目を擦りため息を吐きだす。

だけど美咲の顔だけは頭の片隅で過る。

だからと言って電話する事も出来ず、


「で、何処連れてけばいいの?」


流星の声で我に返る。


「え?」

「レンの声、洩れてたから」

「あー…乗せてってくれんの?」

「そんな調子で運転出来ねぇだろ。まだ酒残ってんだろうが」

「残ってねぇと思うけど最近やけに時間かかる」

「まぁ病んでっからな、お前」


クスクス笑いながら立ち上がる流星は「来いよ」なんて足を進ませていく。

その直後に数件入って来た蓮斗からの場所通知。

″見つからないように誰かいるかだけ確認して″

そのメッセージに目を通し、俺は立ち上がった。


店に鍵をし、駐車場に向かう途中で缶コーヒーを二つ買う。

車に乗り込んだ俺は流星に珈琲を渡し、プルタブを開け口に含んだ瞬間、目の前のデジタル時計を見た瞬間、急いでスマホを取り出した。


「やべっ、タケルに連絡してねぇわ」


慌てて電話するも、タケルからは″蓮斗さんからもう連絡入ってます″と言う言葉に俺は安堵のため息をつく。

そしてそのスマホをもう一度、ポケットに押し込んだ時、鳴り響く音にもう一度取り出した。