俺と美咲がベッドに入った頃にはもう5時半を過ぎてて、俺は仮眠をとる事もなく、ただ美咲の隣で横になっていた。
相当疲れてんのか美咲はすぐに眠りに落ち、俺は30分もしないうちに起き上がりコンビニへ向かう。
適当にパンと飲み物を買って、エントランスの前の石段に腰を下ろし、さっき買った水を喉に流し込んだ。
全然寝てない所為か瞼が落ちそうになる。
だけど眠い割には身体は思うほどつ疲れてはいない。
あんなに疲れてしんどいって言っていたのにも関わらず、何故かいつもよりスッキリとしていた。
美咲と会話をしたからだろうか…
そんな事は分からないが、自分の中でホッとしたのは確かだった。
暫くすると一台の車が俺の目の前で停まる。
運転席から降りて来た諒也が何故かクスクス笑いながら紙袋を差し出した。
「はいこれ。…つか、おはよっつー気分じゃねぇみたいっすね」
小さくため息を吐きだし諒也から紙袋を受け取る。
「寝てねぇかんな」
「アイツは落ち着いたわけ?」
「まー…落ち着いたかな。つか、美咲の事、いまいちわかんねぇわ」
けど、そんな美咲を好きになったのは俺。
なんでかなぁ…まじで。
そんな俺に諒也は更に笑みを浮かべ笑い出す。
「まぁ…アイツ弱音吐かねぇからな」
「吐かなさすぎだろ」
「多分、いや…絶対、翔さんが関わった事ねぇ人種だと思う」
「かなり、な」
思わず苦笑いをしてしまった。
だからと言ってめんどくさいとは思わなかった。
「でも、なんだろ。俺より翔さんのほうが聞く耳もつからな、アイツ」
「さぁ…どうだかね」
「俺と居たらすぐ言い合いになっからなー…」
「それ、お前が口悪いからだろ」
「いやいやアイツもかなり悪いから」
「まー…間違ってはいねぇけど」
言った瞬間に苦笑いが漏れる。
「だろ?…だからこそ内に秘めた物がいっぱいあるんだろうな」
「……」
「俺にはわかんねぇけど。…翔さんには分かんじゃねぇの?」
「…俺?」
「そう。なんか似てる」
フッと笑った諒也の顔が何でか分かんねえけど、見透かされてる様に思った。
過去の自分と美咲がリンクする事が…



