「珍しいっすね。今まであんま酔ってるとことか次の日まで酔い持ち込んだ事とかねーのに…」

「そかな、」

「あ、何かあったんすか?もしかして訳あり?」


運転席からニヤニヤしながらタケルが視線を送ってくる。

その視線に気づいたものの、俺はすぐに逸らしもう一度窓に頭を寄せた。


「なんもねーわ」

「怪しいっすねぇ…。あ、翔さん昼飯何食います?」

「え、…昼飯?」

「今日行く所、有名な料理店多いっすよね?何します?」

「昼飯の事なんか考えてねーわ。朝も食ってねーのに」

「腹減らないんすか?俺なんかずっと減ってんのに。だから早く食べたいっす」

「お前さぁ…俺の事、金だと思ってんだろ」

「いやいや、そんな事思ってないっすよ」


ケラケラ笑いながら言うタケルにため息を吐く。

こんな時間から昼飯の事なんか考えられねぇっつーの。


「お前を養うなら他の奴養いてーわ」

「え、なんすか?その意味深…そんな誰か居るんすか?」

「いねーけど…」

「じゃ当分俺でいいじゃないっすか。翔さん働きすぎっすよー、そんな働いてどうするんすか?」

「さぁ…」

「さぁ…って、テンション低いっすね」

「着くまで寝かせて」

「へーい」


珍しく言うことを聞いてくれたタケルに安堵し、俺は少しの仮眠をとった。

その仮眠もすぐに起きなければならなくて、思った通りその日は言う事をきいてはくれない身体に苛立ってた。