帰って数時間もしないうちに朝が来る。
そのトビの仕事をしている最中に来た一軒のショートメール。
″久しぶり。愛莉です。知り合いから翔の番号聞いたの。会って話したい。いつ会える?″
その内容で思わず深いため息が零れた。
愛莉と言う名前を忘れるわけがない。
荒れてた時、昼夜構わず遊び暮れていた女の一人。
もう、あれから5年以上経つのに今更、俺と会ってどうする?
無視をしようとか考えたものの、やっかいな愛莉の性格を思いだすと、そうにもいかなかった。
″悪い。忙しくて会う時間ない″
その送った返事など無視をするかのように愛莉からは、
″じゃ、私が会いに行く。何時でも待つから″
その返事にまたため息が漏れる。
「だろーな…」
思わず呟いた言葉がため息で消える。
愛莉はそう言う奴だった。
会いたい。好き。付き合って。何度言われた言葉だろうか。
会う事を無理と断ると、いつまででも待ち続ける奴だ。
「つーか…誰か知んねぇけど番号教えんなよ」
思わず漏らした言葉に小さく舌打ちをする。
ホストに入る前に全て断ち切ろうと電話番号を変えたのに、これじゃあ何の意味もない。
つか、待ち伏せとかまじ勘弁。
何時間とか待たれても困る。
″俺がそっち行くわ。17時半頃、昔の喫茶店で。話す時間そんなねぇから用件だけ聞いて帰る″
一方的に送った内容。
昔よく佇んでた喫茶店。
そこが一番無難だと思った。
俺が住んでるこの辺りは知られたくない。ただその理由で、敢えて昔住んでた場所を指定した。
″わかった″その返信で一息吐く。
正直その会う時間すら無駄だと感じでしまった。
少しの寝る時間を削ってまで会って俺になんの得があるのだろうと…



