「あー…、」

「あの子、寝るの付き物じゃん」


まぁ、ルイは入った時から今まで、そんな感じだった。

寝る=稼げるって、思ってるらしく、正直よく分かんねぇ。


だからアイツには負けたくねぇんだけど。


「え、てか何?俺が寝ねーからルイと?」


ルイから視線をリアに向けると、リアは呆れた様に鼻で笑った。


「私があの子と寝て、なんか私に得る事でもあるの?」

「さぁ、それは知んねぇけど」


と言うか、俺もお前と寝て俺に得る事はねぇだろ。


「言ったでしょ?楓意外と飲んでも楽しくないって」

「うん。言ってたね」

「って言うか、寝る男くらいいっぱい居るわよ」

「つか、俺の前でそんな事よく言うね」


笑い半分。

呆れ口調で返す俺は、灰皿に置いていた短くなったタバコを咥え、ゆっくりと煙を吐き出した。


「なに?ちょっとは妬いてくれた?」

「少なからずは…」

「少なからずねぇ…って言うか、私が言いたいのはそうじゃなくて今、落ちてんでしょ?噂に聞くと」

「まぁ…」


ソファーに深く背を付けてタバコを咥えたまま天井を見上げる。

目に映るシャンデリアが俺の心と正反対で、邪魔物に見える。


「なに?余裕な訳?」

「余裕は一つもない」

「へぇー…、いつも以上に弱気なんだ」

「そう。だから慰めてよ」

「出来るわけないでしょ。私を放置してんだから」

「そうなるか、」


リアのツンとした口調。

思わず苦笑いを漏らし、天井を見つめたまま煙を吐き捨てた。