がっくりしながら手招きするマスターについて行った。

 マスターと一緒に裏口の方に行くと、業者さんみたいな人がいた。

「どれがいい?えらんでいいよ。女の子は初めてだからね。まあ僕はこれがいいけど」

 マスターが私の前に差し出したのは、びらっびらでミニの、まさに「メイドさん」ていう感じの制服だった。

 せ、制服??とりあえずクビではないらしい。

「い、いや~、これはちょっと」

「似合うと思うけどなあ。接客業は見た目が大事だからね」

 今のまま、私服でエプロンでいいのに……。見た目がいいのは先輩たちだけでいいよ。

「とにかく、うちの大事な華だからね。かわいいのにしてね。選んだら、この人に言って。きみ、請求はいつも通りで」

「はい」

 マスターが厨房に戻ると、業者さんは制服を5枚ほど出してきた。

「おすすめはこのあたりですかね」

 しぶしぶ「おすすめ」の制服を見ると、どれも結構可愛い。どれも「メイドさん」て感じだけど、センスがいい。