カフェには黒豹と王子様がいます

「よろしくお願いします」

「あんたは女ってだけで私の上を行ってるのよ。くやしい!」

 そんなこと言われても。

「でも、竹本さんの作るケーキは本当に美味しそうですよね」

「あんた食べたことないじゃない、調子のいいこと言うんじゃないよ」

「だってお客さんの表情見たら、わかりますよ」

 私の言葉で、敵意の表情が急にほころぶ。

「あ、ああそう?このケーキ食べてみる?ちょっと昨日考えたんだけど」

「え?!いいんですか?うれしい!」

 そのケーキは、少しお酒が効いた濃厚チーズケーキだった。

 口の中にチーズの香りが広がった後の、お酒の感じが何とも言えない。

 とろりと溶ける食感と、底のカリッとした部分がたまらない。

「お・い・し~い……何このケーキ、すごいわたし好み!」

 急に笑顔になる竹本さん。