カフェには黒豹と王子様がいます

もー!なーんだか夏服って、エロい!

気が散る!

もう勘弁して。接客に集中させて―!

 先輩たちを見ないように見ないように走り回っていると、小野田先輩のどなり声。

「西口!走るな!」

「ごめんなさい!」

 
 ちょっと頭を冷やそう。

「私洗い場入ってきます」

 にっこり笑う徳永先輩。

 しばらくして小野田先輩がどなりに来た。

「西口!」

「は、はい!」

「前かがみで洗い物するな!」

「は?」

「僕は気にしないよ?」